ロゴマークを開発して懸賞に応募しよう

世の中には多くの懸賞がありますが、ロゴマークも例外ではありません。現在、企業やイベントの実行委員会、地方公共団体などによるロゴマークの懸賞が多数公募されています。ロゴマークとはなんなのか、ロゴマークの開発方法、懸賞と応募の仕方、注意点まですべてまとめてご紹介します。

興味があるならチャレンジしてみましょう。

ロゴマークとは企業や商品、サービスなどにつけられるマークのことです。消費者はロゴマークを見ただけで特定の企業や商品などを思い浮かべます。ロゴマークを厳密に分けるとロゴタイプ、シンボルマーク、ロゴマーク、ロゴの4つがあります。

ロゴタイプは、企業名や商品名、商標名などの文字を図案化したものです。シンボルマークは会社や団体、個人などを象徴するマークで、和服の正装などについている家紋もシンボルマークの1種です。ロゴマークは企業やブランドのイメージを図案化したものです。

ロゴタイプの中でも特に象徴性が強いものやシンボルマークを含み、シンボルマークとロゴタイプを組み合わせたものもロゴマークです。ロゴは本来、ロゴタイプの略称でした。現在ではロゴタイプ、シンボルマーク、ロゴマークの総称として使われています。

有名企業のブランドマークもロゴマークに相当します。リンゴのマークなら、インターネットやデジタル家電製品を扱うアメリカの多国籍企業を思い浮かべる人も多いでしょう。スウッシュマークなら、多くの人がスポーツ関連の商品を扱うアメリカの多国籍企業を想起します。

ブランドマークを見ると、人はマークという単純な情報だけでなく企業のイメージや商品に込められたメッセージなどを関連づけて思い出していることに気づくでしょう。ブランドマークは企業名や商品名とともに、企業そのもののあり方や伝えたいメッセージなども消費者に届けます。

消費者の側もブランドマークを見ただけで、どの企業の商品なのかがわかります。このためマーケティングにおいて、ブランドマークを含めたロゴマークは重要な意味を持っているのです。

ロゴマークは企業や商品、サービスなどと消費者を結びつける最初の接点です。ロゴマークを作る際にはまず、消費者に何を伝えたいのかを考える必要があります。図形はイメージを伝えやすく、文字だと名前などを覚えてもらいやすくなります。

そのため図形と文字を組み合わせたロゴマークも多数見られます。ロゴマークを作る上で具体的に注意すべきなのは、普遍的な美しさと品質の高さがあるかといった審美性や、他にはない独自性があるか、将来的にも使える継続性があるか、事業内容を適切に表現しているかなどを考えることです。

機能面では多様な媒体で大きさが変わっても正しく表示できる再現性や、覚えやすさなどがあります。文字の場合は読みやすさも大切です。

懸賞とは優れた作品やクイズの正解者、対象のものを見つけた人などに与えるという条件で、賞品や賞金をかけることです。様々な媒体で目にすることの多い懸賞ですが、懸賞にはオープン懸賞とクローズド懸賞があります。

オープン懸賞はテレビや広告などで募集され、特定の商品やサービスを利用しなくても誰でも応募が可能です。オープン懸賞の景品には上限金額が設けられていません。クローズド懸賞は一般懸賞と共同懸賞に分けられます。

一般懸賞は特定の商品を買ったりサービスを利用したりすることで応募の権利が発生し、抽選など特定の手段で景品が提供されるものです。共同懸賞は複数の事業者が共同して行う懸賞のことで、ショッピングモール全体で行う場合などがこれに当たります。

クローズド懸賞は「不当景品類及び不当表示防止法」(景品表示法)によって高額すぎる景品類の提供が禁止されており、景品の上限金額などが決められています。ロゴマークの懸賞はネット上でも広く募集されており、オープン懸賞に当たるものも多数あります。

驚くほど高額な賞金はあまりありませんが、受賞歴はデザイナーとしての就職の際には有利な材料の1つになりフリーのデザイナーにとっては実績の1つになります。

ロゴマークの懸賞には様々なものがあり、特定の要項はありません。どのようなものがあるか具体的な募集要項をご紹介します。ご紹介するのは一般の企業が募集しているもので、ロゴマークと同時にサイン計画も募集しています。

どちらか1つではなく両方に応募する必要があり、採用は1名でデザイン監修費として20万円が授与されます。応募資格はInstagramのアカウントを持ち公開にしていることと、日本語でのコミュニケーションができることです。

参加には主催者のInstagramのフォローが必要で、主催者のアカウントおよび指定されたハッシュタグをつけてInstagramに提出物を投稿します。複数の応募が可能です。提出物はロゴマークの案が1枚以上とポートフォリオで、ポートフォリオの審査を通過するとWeb面談に進みます。

応募の期限はありますが選考は先着順のため、締め切りを待たずに採用が決まる場合もあります。著作権の扱いは主催者に問い合わせることになっています。

ロゴマークの懸賞に応募する際には、いくつかの注意点があります。募集要項ではロゴマーク、シンボルマーク、キャラクターデザインなどと表現され、一般的な区別とは多少異なっている場合があります。ロゴマークは、企業名や商標などに使われているロゴタイプ(文字)をデザイン化したものです。

シンボルマークは、企業や団体のイメージなどを象徴する抽象的なマークです。キャラクターデザインは主に人や動物をデフォルメしてデザイン化したものです。最近では厳密な区別なく使われていることも多いので、心配なら主催者に確認しましょう。

著作権につては募集要項に明記されているのが普通ですが、「応募作品の著作権は当方に帰属します」と書かれていても落選した作品については譲渡契約を結んでいないと考えるのが合理的です。著作権や利用範囲などは事前に調べておく必要がありますが、ロゴマークのフォントなどについてはもともと著作権が認められていません。

懸賞の賞金や商品券は課税の対象で、特別控除によって50万円までは非課税です。

ロゴマークは企業の顔ともいえる大切なものです。オリジナルのロゴマークを作って懸賞に応募することには夢があり、賞金や賞品がもらえるかもしれないという実益もあります。デザイナーなら実績の1つになります。企業のニーズに合ったロゴマークを開発できれば、街やテレビの画面で自分がデザインしたロゴマークを見る日が来るかもしれません。